急性中耳炎などの炎症が完全に治らず、慢性化した状態です。鼓膜に穴が開いていることがほとんどで、耳漏(耳だれ)や難聴が主な症状になります。耳の痛みは無いことが多いです。
どんな病気?
急性中耳炎などの炎症が完全に治らず、慢性化した状態です。鼓膜に穴が開いていることがほとんどで、耳漏(耳だれ)や難聴が主な症状になります。耳の痛みは無いことが多いです。
耳漏は耳から膿が流れ出てくる症状であり、耳の奥が細菌に感染することにより生じます。耳漏を長く放っておくと、耳の奥が腫れたり、耳の中に「肉芽」と呼ばれる繊維組織の塊が出来たりすることがあり、そこまで進行すると治療が長期化する場合が多くなります。
難聴は鼓膜が腫れたり、穴が開いたり、音を伝える耳小骨の動きが悪くなることから生じます。「音が聞こえにくい」「耳が詰まったような感じ」「音がこもる感じ」など感じ方は様々です。慢性中耳炎で特に起こりやすい症状です。
治療法
保存療法(手術を行わない治療法)
耳の洗浄の処置を行います。耳漏の原因となっている細菌の増殖を抑えるため、必要に応じて抗菌薬(内服薬、点耳薬)を使用し耳漏の停止を目指します。
手術療法
肉芽や真珠腫(→真珠腫性中耳炎)がある場合はそれらを取り除く手術を行います。鼓膜に穴が開いている場合はこれをふさぐ「鼓膜形成術」を行い、耳小骨が損傷している場合や動きが悪い場合はこれを修復する「鼓室形成術」を行います。
手術療法で鼓膜の穴を閉鎖することで、耳漏の停止と聴力改善が期待できます。