鼻づまりは、鼻の通りが悪くなって詰まってくる症状です。
鼻でうまく呼吸ができなくなってくるために寝苦しくなったり、寝ている間に口呼吸になったり、またはいびきをかくようになります。
鼻づまりを起こすことでさまざまな症状を引き起こします。
このほかにも頭痛を引き起こすこともあるでしょう。
鼻の中には鼻汁があります。
鼻汁がスムーズに流れることができなくなるあらゆる要因で詰まってしまうことが鼻づまりです。
鼻詰まりがする
考えられる病気は?
初めに考えられるのはアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が挙げられます。
ほかには鼻中隔彎曲症も鼻づまりを起こす病気です。
考えられる原因
鼻づまりが起こる原因は、最も多いのは風邪によるものです。
風邪を引くとウイルスを排出するために分泌される鼻汁が多くなり、鼻の中が詰まりやすくなってしまいます。
また鼻に炎症を起こすことで詰まりやすくなってしまうこともあります。
どういう対策があるのか
①アレルギー性鼻炎
原因となるのは鼻から吸い込んだ花粉やダニ、ハウスダストなどのアレルゲンで、これらが粘膜に付くことで起こるアレルギーの疾患です。
1年中現れる通年性アレルギーとしてはハウスダストやダニ、動物の毛などが挙げられます。
決まった時期にだけ現れるという季節性のアレルギーは花粉がほとんどで、日本だけでもおよそ60種類もあります。
代表的なものはスギ花粉、ヒノキ花粉です。
症状は鼻水、鼻づまり、くしゃみであり、目のかゆみや頭痛などを訴えることもあります。
鼻づまりによって匂いが分かりづらくなります。
倦怠感を伴うこともあり、仕事や学業などに身が入らなくなるケースも多いです。
日本人の40%の方が何らかのアレルギー性鼻炎を持っているといわれています。
・対策
とにかく原因となるアレルゲンを減らすことが必要です。
通年性アレルギー性鼻炎の場合は、室内をしっかりと掃除し、布団やカーペットなどを頻繁に干す、洗濯する、空気清浄機の活用などいったアレルギーの原因となる物質をできるだけ取り除いてください。
季節性アレルギー性鼻炎では、外出時にゴーグルなど眼鏡やマスクを着用して防ぐことができます。
薬は抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬を使います。
くしゃみや鼻水が主な症状の場合は抗ヒスタミン薬が処方されます。
軽い鼻づまり程度であれば蒸気を鼻から空インしたり蒸しタオルを鼻に当てたりするだけでも一時的に対処できます。
また近年ではアレルゲン免疫療法が季節性、通年性アレルギー性鼻炎いずれも対応できるようになってきており、アレルゲンを少量から体内に投与することで身体がアレルゲンに慣れさせることで、症状を和らげていくという方法も採られています。
さらにひどい鼻づまりが起こり薬で改善が見られない場合は手術するケースもあります。
レーザーで鼻の粘膜の表面を焼くといった手術が行われます。
ただし完全な治療ではなく再発するケースもあります。
②急性副鼻腔炎
鼻腔と隣り合った副鼻腔が細菌感染して、急性炎症を起こしている病気です。
急性鼻炎をきっかけとして発症するケースが多く、基本的に1ヶ月以内に症状がなくなっていくものを急性副鼻腔炎と呼びます。
風邪による鼻炎がきっかけで起こる症状で、副鼻腔に炎症を起こすと腫れて副鼻腔内に膿が溜まり、黄色い鼻水が見られます。
目の下や額などの顔に痛みを感じることや、発熱が見られることもあります。
・対策
細菌感染が原因のため、抗菌薬の内服で治療を行います。
さらに溜まった膿を出しやすくするために、去痰剤を併用して処方されます。
また、痛みや熱などがあれば、解熱鎮痛剤が処方されていきます。
鼻吸引や、鼻洗浄のほか、鼻の通りが良くなってきたらネブライザーなどといった耳鼻科での処置なども有効です。
③慢性副鼻腔炎
蓄膿症とも呼ばれている鼻漏や鼻づまりなどといった副鼻腔の慢性的な症状が、急性期を過ぎて3ヶ月以上続くのが慢性副鼻腔炎です。
風邪に関連して羅漢する急性副鼻腔炎から発症するケースが多く、細菌感染によって起こります。
このほかにも鼻中隔彎曲症などにより起こる場合もあります。
また子どもの場合は免疫が十分でないこと、アデノイドが肥大している場合も起こるというケースが多いです。
副鼻腔粘膜が腫れて、鼻茸というポリープができます。
黄色く粘り気のある鼻汁が出て、この鼻汁が喉の方へ垂れてしまう後鼻漏になることもあり、咳嗽にもつながることも多いです。
嗅覚障害や頭が重いといった症状もあります。
・対策
マクロライド系の抗菌薬や去痰剤を併用して治療する保存的療法で治療していきます。
また、副鼻腔などに薬剤を投与するエアロゾル両方も行われることもしばしばです。
漢方薬で治療できるケースもあります。
また子どもの場合は基本的に保存的療法で治癒していくケースが多いです。
また、大人は鼻茸によって鼻腔と副鼻腔の交通が塞がってしまった場合、手術が必要になるケースもあります。
近年では、内視鏡を使って行われる手術が主流となってきています。
④鼻中隔彎曲症
鼻腔を左右に分けている鼻中隔が歪んでしまう病気です。
一般的には子どもの場合70%の子どもが、大人の場合は90%がある程度の鼻中隔の曲がりが認められているのですが、外傷などによって鼻中隔がひどく曲がっていると鼻が詰まりやすくなり、口呼吸になったりいびきが出やすくなり、嗅覚に障害をきたす症状が現れます。
この症状を鼻中隔彎曲症と呼びます。
また鼻中隔は軟骨の板と骨の板で形成されており、骨の板よりも軟骨の板のほうが発育が活発なため、この違いで彎曲が起こると考えられています。
鼻づまりが主症状であり、嗅覚障害、頭痛、肩こり、注意力の減退、鼻血などの症状が現れます。
・対策
あまりにも鼻づまりがひどくなっている場合は、鼻の発達が完了する17歳から18歳以降になってから鼻中隔矯正手術を実施し、鼻中隔の軟骨や骨を取り除いてまっすぐに矯正していきます。
この手術は基本的に全身麻酔によって行います。
軽度の場合は、局所麻酔にて日帰り手術で済むこともあります。
アレルギー性鼻炎を併発している場合は、アレルギー性鼻炎に対する治療が行われます。