耳垂れが出る

耳垂れは耳から液体が流れ出てくる症状であり、「耳漏」とも呼ばれています。
耳から出てくる排液は水っぽいものもあれば、血が混じっていることや膿のように白っぽいものが出てくることもあります。
耳垂れの症状があると基本的に外耳道や中耳に病が隠されている可能性が高いです。

考えられる病名は?

外耳道から発生する耳垂れの場合は、耳かきによる耳掃除のやり過ぎなどによる漿液性のものであり、外耳漏湿疹や外耳炎などが挙げられます。
また、中耳から発生するものは中耳粘膜から生じる粘液性のものであり、中耳炎が挙げられます。
中耳や外耳道を傷つけて外傷がある場合や悪性腫瘍などの場合は、組織破壊によって血性耳漏が認められるケースがあります。

原因はなんなのか?

耳垂れの原因は、外耳道や中耳で主に発生するもので、まれに頭蓋骨の内側から発生することもあります。
一般的な原因となるのは、鼓膜穿孔を伴う急性中耳炎や慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、外耳炎などが挙げられています。
小児の場合は鼓膜が破裂して鼓膜の奥に溜まった感染した物質が放出されます。
鼓膜に空いた穴はだいたい塞がるものですが、まれに小さな穿孔が残ってしまいます。
このほかに壊死性外耳道炎や外耳道のがん、頭蓋底骨折、真珠腫によって起こるケースもあります。

耳の病気への対策は?

①外耳道炎

外耳の通り道に起こる炎症であり、耳の中を毎日のように耳かきや綿棒などを使って耳掃除して刺激を与えている方に多く見られる病気です。
自分で外耳炎かどうかを確認する方法として、耳たぶを引っ張って痛みを感じた場合は、外耳道炎を起こしている可能性が高いでしょう。
軽症の場合は、耳のかゆみを訴えるだけですが、かゆいからといって耳かきを続けているとより悪化し、耳痛と耳垂れの症状が生じます。
外耳道炎は放置しておくとさらに奥にある中耳炎を合併する危険もあります。

・対策
耳のかゆみを感じるようになると、外耳道炎を起こしている可能性が高いです。
そのため耳がどれだけかゆくても耳掃除をしばらくしないように徹底することが必要です。
また、耳鼻科では抗生物質の内服薬や点耳薬が処方されます。

②急性中耳炎

中耳に炎症を起こし、耳に激しい痛みを感じた後に耳垂れが出てくる病気です。
子どもの場合は黄色い膿の溜まった鼻水が出た後に耳管を介して細菌が中耳に入ることで発症しやすくなるといわれています。
一方大人の場合は、耳掃除のやり過ぎで外耳道炎から進行し、中耳に炎症が進んで引き起こすことが多いです。
基本的に耳と鼻は耳管と呼ばれる器官でつながっており、鼻水がひどいときに鼻をすすったり、鼻を強くかんだりすると急性中耳炎になりやすくなります。
また急性中耳炎はひどくなると中耳に膿が溜まるようになり、耳の聞こえが悪くなってしまいます。
さらには鼓膜に圧がかかるようになってしまうと、夜間に一睡もできないほどの激しい痛みが生じるようになります。
症状がひどくなる前にかかりつけの耳鼻科に通うことが大切です。

・対策
中耳炎は温まることで悪化する性質があり、入浴の際は湯船に入らずにシャワーで済ませるようにして、ラップや耳カバーで保護をすることで耳に水が入らないように気を付けましょう。
子どもの場合、痛みが強いときは耳の後ろをアイスノンや保冷材を使って冷やすと傷みが和らぎます。
軽症から中症の場合は抗生物質を内服して治療を行いますが、重症の場合は鼓膜切開をしなければなりません。
急性中耳炎の場合は鼓膜が破れることで痛みが和らぐのが特徴なのですが、痛みがなくても必ず医師にかかるようにしてください。

③慢性中耳炎

慢性中耳炎は中耳に対して慢性の炎症があるため、鼓膜は開いている状態であり、症状がひどい場合には鼓膜がないケースもあります。
免疫力が低下すると耳垂れの症状が出てきますが、基本的に慢性中耳炎は耳の聞こえが悪くなる難聴の症状が主に起こります。

・対策
鼓膜が開いているまたはない状態なので、耳の中に水が入るのは厳禁です。
そのため、耳のカバーをしたり耳栓などをつけたりなどして入浴すると良いでしょう。
手術によって鼓膜の穴を塞ぐことで聞こえもだんだん良くなり、耳垂れが出なくなっていきます。

④真珠腫性中耳炎

こちらも慢性中耳炎の一つであり、難聴や耳垂れが起こることやめまいを訴えることもある病気です。
表皮が鼓室の中に入り込み、周囲の骨を溶かしてしまいます。
最初こそ一般的な慢性中耳炎と同じ症状なのですが、だんだんと臭いのある耳垂れに変わっていき、ひどい難聴に悩まされるようになります。
骨の破壊の程度によって頭痛やめまい、顔面神経麻痺などといった症状まで現れるようになっていきます。
さらに進行すると髄膜炎や脳腫瘍にまで進行する可能性がある大変怖い病気ですので、早めの処置が必要です。

・対策
耳鼻科で診断されたら、外耳道から取れる限りは外来処置で済ますことができますが、奥に進んでいるものや大きいものは即手術で治療を行います。

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